少年少女の宇宙漂流モノ。『彼方のアストラ』1巻をレビュー

作・篠原健太 彼方のアストラ1巻より
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文句なく面白いSF少年漫画

どうも、いなかです。

この記事では、作・篠原健太のジャンプコミックス+「彼方のアストラ」1巻のネタバレありのレビューをします。

先日、3巻が発売されたのを機に買って読んでみたのですが…正直後悔しましたね。

なぜ自分はこれほど面白い作品を今まで放置していたのか、と。

「SKET DANCE」の作者の新作にあたるんですが、さすがにジャンプで32巻続けるだけのことはあるなと。

わたくしはSKET DANCEは未読(なので本作の存在に気が付くのが遅れた)なのですが、あまりにも本作に衝撃を受けたために購入を検討しています。

温故知新…古典をベースに現代的なエッセンスを追加

お話の舞台は少し先の未来。既に超光速での宇宙空間の移動が可能な宇宙船が一般化した時代です。

主人公のカナタたち9人の高校生(1人例外もいますが)の少年少女は、生徒たちだけで、とある惑星で5日間を過ごすキャンプ、『惑星キャンプ』に参加します。

ところが、到着早々に謎の光球に包まれ、気が付いた時には宇宙空間の只中に放り出されることに。

偶然近くにあった無人の宇宙船に乗り込むことに成功したものの、そこは元いた惑星からは5000光年以上も離れた場所でした。

少年たちは宇宙船を駆り、力を合わせて家に帰ることを目指す…というのが、簡単なあらすじ。

具体的には、水や食料を確保できる惑星を経由して、それらを補充しながらの帰還を目指していきます。宇宙船の積載可能な容積はそれほど多くなく、そうしないと9人分の備蓄が確保できないんですね。

『学生が漂流(もしくは遭難)』というテーマの作品は、かつては一定の数がありましたが、近年では減少傾向。さらに宇宙漂流ともなると、これはもう絶滅危惧種と言ってもいいレベルだと思います。

わたくしの世代の作品だと、アニメになりますが『無限のリヴァイアス』が比較的ストーリー上は近いですかね。共通点が多いと言うか。

リヴァイアスに比べると、人数が格段に少ないのと、登場人物があそこまでこじれていないので、雰囲気はまったく違いますが。

テーマ的には古典の部類ですが、古臭さはまったく感じさせないです。むしろ傑作になる予感しかしません。惑星の設定、各登場人物の設定が単体で見てもいいのですが、ストーリー的にそれらが上手く引き立てあっているんですよね。

ほぼ初対面の少年少女たちが、トラブルを通じて協力していく…と言葉で書くのは簡単ですが、すごく緻密にそれをやっている感じです。しかも、宇宙を舞台にして。

1人でこれをやってるんだから、本当にとんでもないなと思いますよ。

自然に少年少女たちを応援したくなる

漂流する9人は、多少クセはあるものの基本的に皆善良で、思わず応援してしまうようなキャラクターばかりです。

女子もみんな可愛いですし。

男子ではめっちゃ気になるやつが一人います。まあ、何を隠そうウルガー・ツヴァイクなんですがね。

作・篠原健太 彼方のアストラ1巻より

この1コマだけで大体のキャラというか、立ち位置は伝わると思います。

進んで輪の中には入らない、どこかシニカルで冷めた感じのタイプです。

で、わたくしの物凄く好きな漫画に「かぐや様は告らせたい」というラブコメがあるんですが、そこに登場する石上優というキャラクターにそっくりなんですよ!

間違いなく子孫か生まれ変わりだというレベルで!

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↑この記事のアイキャッチがその石上なんですけど、髪の分け目が逆なのを除けばほぼ同じという…。立ち位置もほぼ同じという…。

んで、わたくしはその石上が大好きなんですよ!

これはもう、石上の関係者であるウルガーも応援するしかない!

…と思いましたが、ウルガ―の野郎、1巻ではほとんど活躍しませんでしたね…。ただ皮肉っぽいことテキトーに言ってるうちに1巻は終わってしまいました。まあそんなとこも石上っぽいんですけど。待ってればそのうち出番もありますよね。

1巻はキトリーとフニシア姉妹の確執がメイン

本来の目的だった惑星キャンプでは、斑ごとにテーマが与えられます。カナタたちの斑のテーマは「10歳の女の子を同行させること」。

フニシアはキトリーの義理の妹(養女)なのですが、「10歳の女の子」のテーマのために同行していました。そのため、今回の漂流にも巻き込まれることに。

作・篠原健太 彼方のアストラ1巻より

んで、このキトリーがまた可愛いんですよねえ…。

まあ一言で言ってしまうと「作中のツンデレ要員」なんですけど、結構ノリのいい感じでユーモラスさもあるという万能キャラ。

宇宙船の操縦など、計器のコントロールをメインで担当するザックとは幼馴染でもあるという。属性をこれでもかと詰め込んだ感じになっています。それでいて、キャラデザの秀逸さのせいか古臭さやテンプレ臭はさほどしないという、攻守ともに高い次元でまとまった素晴らしいキャラクターです。

1巻では、漂流するきっかけの部分から、第一の惑星ヴィラヴァースでの滞在が描かれます。

このエピソードでは、馴染めていなかったキトリーとフニシアの関係修復がテーマになるのですが、それまでイマイチ強味が発揮できていなかった主人公・カナタのストロングポイントも披露されるという素晴らしい構成に。

最後はもちろん、ツンデレがデレておしまい、という感じです。

作・篠原健太 彼方のアストラ1巻より

あ~キトリーちゃん可愛いんじゃ~!

ほんと、女の子のデザインが秀逸すぎて困りますねえ…。

火星にゴキブリ退治に行くやつだと、幼馴染はすげえあっさりアレするんですけど、キトリーちゃんにはずっと元気でいてほしいですねえ…。

1巻ごとにレビューしていきたい作品。できれば一話ごとにレビューしていくかも

記事の時点では3巻まで出ている作品です。いつもならそういう作品は、最初の記事では3巻まとめてレビューして、4巻から巻ごとのレビュー、という感じなんです。けど、この作品はどの巻もとても素晴らしかったので、まとめてレビューとかとんでもない、という感じで。

できれば一話公開されるごとにレビューしたいくらいですよ。

最近ジャンプ+のアプリも導入したので、真剣に検討します。

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