新キャラのナオがいじらしい『放課後さいころ倶楽部』8~9巻をレビュー

作・中道裕大 放課後さいころ倶楽部8巻より
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8巻からは、作中の年度が変わって新キャラメインに

どうも、いなかです。

この記事では、作者・中道裕大のゲッサン少年サンデーコミックス「放課後さいころ倶楽部」8~9巻について、ネタバレありのレビューをまとめます。

さて、本作は7巻をもって、事実上の一部完となりました。

作中で4月を迎え、新年度に切り替わるタイミングです。アヤたちも2年生に進級しますし、新1年生が入学してきます。8巻からは、新たに登場する2人の新一年生がメインのストーリーとなっていきます。

2部の実質的な主人公であるナオが変顔可愛い

新キャラの二人は、どこかネコっぽい雰囲気を持つ不良娘のナオと、対照的に優等生タイプのカンナ。

2部はナオ視点で進むことが多く、実質的な第二部の主人公です。まあ、今のところは、ですけど。

このナオ、両親が離婚していたり、自分を引き取った母親が水商売をやっていたりと、家族関係はかなり重いです。友達も積極的に作るタイプではなく、クラスでも一人。家でも一人になりがちで、その時間を携帯用ゲーム機で潰している…という日々が続いていました。

そこへ、金城(店長)との偶然の出会いや、ゲーム好きを隠していたカンナとのゲームプレイを通して、徐々にボードゲームの世界に親しんでいきます。

2部はとにかく、このナオが可愛いんですよね。

不良娘のくせに嘘がつけないタイプで、ブラフ(ゲーム中の嘘、ハッタリの総称)が重要な類のゲームでは、よくカンナや店長にからかわれています。そういうときに出る「崩れ顔」や「困り顔」が本当に可愛くて。

作・中道裕大 放課後さいころ倶楽部8巻より

初めてナオとカンナが、さいころ倶楽部でゲームをしたときのコマ。

このときにプレイした「チャオチャオ」はブラフが重要なゲームで、嘘がつけないナオは一方的にやられてしまいます。

普段は結構目つきが悪い感じなんですけど、その分ギャップ萌えの破壊力がはんぱないんですよね。

ナオは、金城には淡い恋心を抱いていて、なんだかんだ理由をつけて会いに行ったりするんですけど、その時のテレ顔とかめちゃかわなんですよ。

作・中道裕大 放課後さいころ倶楽部8巻より

う~~~ん、可愛い

イマドキの萌えキャラのテンプレートからは外れた可愛さがあるんですよねえ…。2部をナオ中心にしているのは、わたくし的には大正解だと思います。

『アンドールの伝説』回は神回になった

8~9巻は、ナオとカンナが友達になるまでが大きなテーマ。

8巻ではカンナのボードゲームの誘いに、なんだかんだと乗っていたナオでしたが、9巻冒頭でアヤやミドリたちとわいわいゲームをプレイした後、突然「もうボードゲームはしない」と言い出します。

ナオは、以前母親に言われた「友達は突然できて、突然去っていくもの」という言葉にずっと囚われていたんですね。

そして、別れが決まっているのなら友達なんていらないと思っていた。

作・中道裕大 放課後さいころ倶楽部9巻より

そんなとき、ナオの元に来てくれるのは、作中数少ない『大人』である金城なんですよね。

雨に打たれて熱を出したナオを看病してくれた上に、「友達」について悩むナオに金言をくれます。

作・中道裕大 放課後さいころ倶楽部9巻より

「やがて来る別れを否定しなくていい。逆だよ」

「別れが決まっているからこそ、共に過ごせる時間を大事にするんだ!」

おっさんかっこよすぎる…!

良いこと言うなあ、という感じですよ。ただね、本当にイケメンなのはここから。

作・中道裕大 放課後さいころ倶楽部9巻より

ナオが寝ている間に、金城はこっそりと家から去ります。紳士ですからね。

ただ、去り際にメモと、ゲームを一つ置いて行ってくれます。

そのゲームこそが『アンドールの伝説』なんです。

このゲーム、わたくしも元々持っていたので、そりゃもう、ものすごくテンションが上がりましたね!

ここでこのゲームを持ってくるか、いや、よく考えればもうここしかないな、と。

ファンタジー風のゲームなんですけど、大きな特徴は協力型のゲームである点。多くのゲームで他のプレイヤーは倒すべき敵なんですが、このゲームでは協力が不可欠なパートナーとなります。

「友達」というテーマに、これ以上合っているゲームもないでしょう。

(パンデミックも有名な協力型のゲームなんですが、もう登場してしまっていますからね)

作・中道裕大 放課後さいころ倶楽部9巻より

ナオはこのゲームの力を借り、無事カンナと仲直りをします。

いやあ、もともと持っていて好きなゲームだったこともあって、ほんとに神回でした。

その後の、ミキとナオのエピソードもとてもいい内容だったんですけど、どうしてもメインはこっちになってしまいますね…。

ストーリーとゲームがリンクすると、本当に面白い作品になるものだなと改めて思いました。

では、また次の巻をレビューします。ナオの恋心はどうなるんですかね。少しは進展するんでしょうか。

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