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アスキーからアニマルへ。雑誌移籍の顛末
どうも、いなかです。
この記事では、作者・大月悠祐子のヤングアニマルDensi「ど根性ガエルの娘」18話のネタバレありレビューをします。
ネタバレ無しの記事はこちら。
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やっちん家族がいつのまにか同居していなかった
冒頭からぽろぽろと、いくつか新たな事実が明かされましたが、特に大きいと感じたのがコレ。やっちん家族の同居がいつのまにか解消していた、というもの。
10話11話(ちょうど、雑誌が移籍したあたりです)で、思いっきり『息子夫婦+孫と同居したおかげで父の性格はとても軟化した』というくだりがあって、てっきりそのままずっと同居しているものだとばかり思っていましたが…完全に思い込みだったようですね。
もっとも、作中では時系列がわかりにくいため、つい最近だと思っていた出来事が実は結構前の出来事だったりすることが『ど根性ガエルの娘』ではよくあります。これもその類のものだと思われます。
やっちんに第一子が誕生するのは、遅くとも平成19年(2007年)です。で、父が倒れたのは2016年7月(もしくはそれより前)
結構な時間が経っていることがわかります。
そもそも、ど根性ガエルの娘の連載が始まったのが2015年ですから、連載開始からすでに年単位の時間が過ぎているわけで。その間にやっちん家族が引っ越すことになっても何も不思議はないですよね。子供が大きくなって家が手狭に…など、色々な理由が考えられますし。
どうもそのあたり、漫画として読んでいると、登場人物が生身の人間だということを忘れがちになってしまいますね…。コナンやサザエさんとは違って、作品が掲載されていく間に、現実の時間もどんどん進んでいくし、ライフスタイルも変化していく、と。そこらへんがピンと来ていなかったようです。
『生きることに絶望』のくだりは、1話部分のたった2年前
今回、もう一つ衝撃的なエピソードが入っています。2013年(平成25年)に、『あることがあって、生きることに絶望していた』の部分です。一話冒頭から、わずか2年ほど前の出来事です。
この頃には、息子夫婦との同居により父の性格も一時期よりは軟化、しかも自身は結婚して両親とは別居していて、漫画家としても十分軌道に乗っている…という、特に絶望するような要素もないように思えますが…まあ人間いろいろありますよね。
伏線らしい伏線は、今までの内容にはまったくなかったと思われます。(この頃のエピソードが作中にはほとんどないので)
一話の頃(2015年頃)にはすでに解決していた問題なのか、それとも今後さらに明らかになっていく部分があるのか…どうなんでしょうね。できればこれ以上、不幸な出来事は起こってほしくないものですが。
作中で何度も『どこまで描くのか』という問いかけが作者に向かってされていますが、今回のエピソードで、まだまだ描かれていない出来事があるのかな、という気になりました。
17話で、作品自体が父に向けたメッセージである、というのが明らかになりました。18話でさらに、具体的に描きたいものがある、という発言が。
それは何なんでしょうね…?
雑誌移籍の原因は打ち切り
最初の数話の時点では、『とても好評』などと言っていたアスキー編集でしたが、10話の時点では態度を一変させて、電話越しに打ち切りの宣告をしてきます。
素人目線ですが、ほんの数話でそこまで状況が悪化することがあり得るのか、と思ってしまいました。まあ、出版業界も厳しいですからね…。そういうこともあるのでしょう。
作中からのイメージになってしまうのですが、アスキー編集は作者に求めているものの形がかなり明らかだったようですね。あくまで、『家族の再生物語』を求めていたように感じます。
一方、作者が描きたかったものは、もっとありのままの姿だった。そこのギャップは最後まで埋められなかったようですね。それが、11話、12話を提出しないという結果になりました。
一方、打ち切りが決定した結果、夫のつながりでヤングアニマルが興味を持つことに。(夫の大井昌和さんはヤングアニマル関連誌に数作の掲載実績があります)
「辣腕編集」感がハンパ無い、この最終ページのコマですよ。
その後の展開を見ても、アニマル移籍後の方がのびのびやりたいことをやっている印象があります。結果的に、収まるべきところに収まった、ということでしょうか。
『父が漫画を恨まなかったから』のくだりは、形を変えて掲載されることになりましたが、ニュアンスはかなり違いますからね。
どうせなら、最後まで描きたいもん描いてほしいと願うばかりです。
コメント
はじめまして。
やっちん家族との同居解消ですが、実は、17話の最後の方、小さいコマですが、
「弟夫婦が一人立ちしたとたん元の生活に元通り」と明らかにされてはいます。