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ツッコミどころが多い割に、ヘビーな展開もちょいちょいある不思議なバドミントン漫画
どうも、いなかです。
この記事では、作者・濱田浩輔のアフタヌーンコミックス「はねバド!」について、未読の方向けのレビューをまとめます。
ネタバレは無し(最低限のあらすじ程度)としています。尚、この記事を書いている時点では9巻まで発売していますが、記事の内容としては1巻中心で、それ以降については「もう少し先にこういう見どころがあるよ」というくらいです。
爽やかさ少な目の「スポ根」
ストーリーは、他の作品に例えると「咲」が比較的近いですね。バドミントン版の咲。もしくはバドミントン版の頭文字D。
主人公・羽咲綾乃は高校のバド部(それほど強くない)のコーチに、団体戦の人数合わせに誘われます。最初は嫌がるものの、次第にその強さが明らかになり、そのうちチームの主力に…という展開です。
本作が例で挙げた作品と大きく違うのは、その豹変っぷり。
最初に登場したときはこんな感じでした。ちっちゃくて、なんかぽわーってした、(><)←こんな感じ。しかも「バドミントンあまり好きじゃないんです」とか言うわけです。
それがほんの数話で、
ドス黒いオーラをまとって、シャトルを弾き返すマシーンになります。
なにこれ…変わりすぎでしょ…
いや、咲にしても拓海にしても、別に豹変はしないじゃないですか。拓海なんかハンドル握っても性格はそのまま出し、咲にしてもせいぜい勝負所で目からプラズマ出すくらいで。
こんな見開き丸ごと黒くなったりはしないですよ。
しかも上のコマで綾乃の紹介してる幼馴染も、綾乃のバドスキルについては何も知らなかったそうです…。綾乃は中学時代は相当の選手だったらしいですし、いくらなんでもありえないと思うんですが…まあ、そこら辺のツッコミは野暮というものなんでしょうね。
ストーリー的にはほかにも「えっ」となる部分も多いんですが、スルーを推奨します。この作品のいいところはそんなところではありませんので。
綾乃の禍々しいほどの強さ
綾乃の纏う雰囲気については、ずっとドス黒いままだと思ってもらって間違いないです。
その強さは、それはもう凶悪です。調子がいいときは全国クラスの選手でも瞬殺してしまいますから。まあ、同じクラスの選手が相手なら苦戦もするんですが。
腕そのものの凄さもそうなんですが、悪いカオで煽り入れてくることもあります。
ほんとに爽やかさが無くて、主人公らしくないんですよね…。
もう一人の主人公・なぎさが爽やかさを補充してくれる
さすがに綾乃に感情移入できる人ばかりではないと思います。最初から強いと応援のし甲斐がない、という人も少なからずいると思いますし。
ただ、「スポ根」の「根」担当とでも言うべきでしょうか、もう一人の主人公がちゃんといるんですよ。
それが新垣なぎさちゃん!
綾乃のチームメイトでもある彼女は、全国クラスの実力がありながらも、ここ最近は力が発揮できていません。ちょっとしたスランプに陥っているんですね。
もともと一人で部を引っ張ってきた彼女の元に、綾乃が入部してくるわけです。
ボーイッシュなルックス通りに負けず嫌いで、プライドもある彼女は、綾乃の強さを理解しつつも、最初はなかなか受け入れられません。
最初からほぼ完ぺきな強さの綾乃に対して、なぎさはフィジカルもテクニックもメンタルもまだ発展途上。この作品において、成長していくのはむしろ綾乃の周りの人間なんですよ。その代表がなぎさです。
綾乃も変化はしていくんですが、それが成長なのかはちょっとよくわかりません。最初の方にも書きましたが、ストーリーは結構ツッコミどころが多いので(笑)
スポ根にも少し毒気が欲しい人には間違いなくおすすめ
綾乃の禍々しさと、なぎさの爽やかさが絶妙のバランスなんですよね。(もちろん、なぎさ以外にもひたむきな努力家もたくさん出てきます)
ただやっぱり、存在感を放つのは綾乃の独特な黒さ。
ただの爽やかなスポ根には食傷気味、というスポ根中~上級者にこそ、おすすめできる作品になっています。また登場する女の子の数が多いんですけど、もれなく可愛いので単純に女の子目当てで読むのもアリでしょう。
個人的にはかなりツボな作品なので、10巻からは単体でレビューしていければ、と思っています。