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いかに相手に告らせるかという原点に(一応)戻った
この記事では、作・赤坂アカのヤングジャンプコミックス「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」44話のネタバレレビューをします。
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前回の43話で、3週に渡って引っ張った会長の誕生日編が一段落し、今回は何というかいつものノリです。久しぶりすぎて懐かしささえ感じるレベルですよ。
御行は案外あっさり扇子を見せびらかしていた
前回の次回予告から、扇子絡みの話なんだろうなというのは想像がついていたんですけど、予想としては、扇子使う・使わないとかそのレベルからだと思ってたんですよ。
いやだって、高校生が急に扇子使い始めたら、周りの人は「おっ、それどうしたの?」くらいは聞くじゃないですか。
この作品で言えば藤原書記あたりに聞かれるわけですよね。で、そうすると誕生日がどうの、四宮が贈ってくれただの、と言った話にならざるを得ないわけで。御行がそういうことをスンナリできないんじゃないかなー、などと思っていたわけです。
まあそんなのは素人のクソ予想でしたね!
想像の遥か上を行く展開でした!
さすがに最初の最初は若干の照れがあったようですが、その後はむしろ見せつけるようにドヤ顔で書記に扇子を持ってますよアピール。さすがです会長。
むしろ御行の頭の中には、扇子を利用して「かぐやは御行のことが好き!だって誕生日にこっそり扇子なんてプレゼントしちゃうんだから!」という風説を流布する発想もあったのですが、「四宮が善意でくれたものをそういう風に利用するのはやめよう」ということで、出所は隠す所存だったわけです。
やだ…イケメンすぎる…(><)
ほんと御行って、根っこの部分が善良な好青年ですよねえ。
一方、かぐやは恋愛頭脳戦を仕掛けるが…
ところが、かぐやは御行の想いなど汲んではくれません。
むしろ、「誕生日とかいうサービスタイムは昨日で終了」という感じです。
生徒会室に来る前に、かぐやは藤原書記に「昨日が会長の誕生日だったことをこっそり教えてもらった」と言っておいたのです。
ただでさえ恋愛脳の藤原書記ですから、そんなことを言われたら
「会長はかぐやだけに祝って欲しかった」→「会長はかぐやのことが好き!?」
というロジックになることは自明の理。御行が扇子を「友達にもらった」と言って誤魔化してしまったことも裏目でしたね…。
御行がためらった「風説の流布」を、かぐやの方は何のためらいもなく使用してきたというわけです。
いや~久しぶりですね、この頭脳戦(っぽい)ノリ!
わたくし的には前回が結構なシリアス回、というか、「お話を前に進めるための回」だったので、今回は原点に返ろうということなんでしょうか。
前回が神回だったので、こういう「いつもの回」はもう十分、もう飽きたという人もいるんですかね…?わたくしとしては、こういう「いつもの回」があってこそそれ以外の変化球っぽい回が生きてくると思うので、いつもの回大歓迎です!
でも、多分構成はこういうギャグ回が一番大変なんだと思いますが…。ほら、ギャグ漫画ってネタの神様が降ってくるの待ちってよく言うじゃないですか。あれ結構マジらしいですよ。
でも、今のかぐやは長時間戦える体ではなかった
御行も言われっぱなしではなく、一度は封印した扇子を使っての「口撃」に転じます。
ここからはお互いの体裁を賭けた舌戦となるはずだったんですが、ここですでにかぐやは戦える状態ではなくなっていました…。体のコントロールをかぐや(アホ)が支配してしまったのです。
途中から恋愛頭脳戦ほっぽりだして、御行が扇子ちゃんと使ってるかどうかに夢中になってしまいますから。
まあ、かぐや(アホ)も可愛いんで、読者としてはぐだぐだになっても別にいっか、って感じですけどね!「ほほにペシってした…」って可愛すぎかよ…!
自分から仕掛けたはずが、急遽劣勢に陥ったかぐやはどう打開するのか?そもそも打開する気があるのか?
オチについては上手いことまとめられてます。今回もキレッキレなまとめ方でした!
余談・摩穿鉄硯とは
古代中国の「新五代史」という歴史書の、桑維翰伝を出典とした熟語です。
作中で御行も呟いていますが、鉄の硯をすり減らして穴を穿つほど勉強する様…という意味合いで、努力の鬼である御行にはぴったりの熟語。
ちなみに出典では桑維翰が科挙に合格するのですが、この「科挙」とは古代中国で行われた官僚になるための試験のこと。
科挙にはいくつかのコースがありますが、桑維翰が合格したのはその中でも最難関とも言われる「進士科」で、その倍率は最大で3000倍にも達したそうです。
かぐやがいかに御行のことを認めているかが伺えますね。
では、また来週レビューします。来週はどうなるんでしょうねえ。