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健気可愛いショタの破壊力がやばい。ホイホイされてしまったお姉さんを誰が責められるのか
どうも、いなかです。
この記事では、作者・高野ひと深のアクションコミックス「私の少年」について、未読の方向けのレビューをまとめます。ネタバレは無し(最低限のあらすじ程度)としています。
執筆時点では、2巻まで発売されている作品です。
記事タイトル通り、いわゆるおねショタに分類される作品ですね。というか、ここまでおねショタに特化した作品はなかなかないレベルのおねショタです。
いやだって、普通はおねショタって言ったら作品のジャンルとは思わないじゃないですか。ファンタジーとか、バトルものとかそういう「作品のジャンル」があって、その中におねショタという属性というか、成分も入っている、とかそういう感じだと思います。
この作品がそれらの作品と違うのは、もはや[ジャンル:おねショタ]というレベルでお姉ちゃんとショタの交流しか描いていないという点です。清々しいほどの一点突破なんですよ。
30歳OLと12歳の美少年の不思議な関係を描く
主人公の多和田聡子は、ひょんなことから12歳の少年、早見真修くんと出会い、サッカーを教えることになります。母親のいない真修は聡子に懐き、聡子もまた真修の複雑な家庭事情を垣間見るうちに、どんどん放っておけなくなり…というのがあらすじ。
これ、深く考えなくても男女が逆だったら通報されるやつなんですけど、真修が可愛いのでどうでもよくなります。初対面の子供にここまで世話焼くか、という野暮な疑問も吹き飛ぶレベルの可愛さなんですよ。お姉さんがホイホイされても誰が責められるでしょうか。いや誰も責められない。
右下のコマの嬉しそうな表情がその代表なんですけど、何しても喜んでくれるような子なんですよ。真修が家庭に問題を抱えていそうなのは聡子もすぐに察せられるくらいに明らかで、しかもネグレクト気味のやつなんですよね。
顔が良くて性格も健気という、非の打ちどころがないショタ。しかも親からは放っておかれてるんですから、聡子が放っておけないのも当然と言えましょう。庇護欲のブラックホールのような存在ですよ真修は。
主題の無さをドラマの部分で上手くカバーしている
上でも書きましたが、おねショタというのは本来「キャラ属性」みたいなものであって、ジャンルにはなりません。じゃあ何を描くんだというところなんですが、本作はそこらへんは真修の家庭環境の危うさと、聡子の大人になるにつれての悩みみたいな部分をうまく掛け合わせることで、ドラマに仕立てています。メインのストーリーがちゃんとしているんですよ。
このあたりのバランス感覚は、女性作家ならではという感じですね。
まあ、今のところ聡子の悩みの大部分は、大学時代の元彼が同じ職場の同僚ということなんですが。聡子は大手スポーツ用品メーカー勤務ということで、収入は自立してくのに十分だと思うので、真修に比べるとどうしても軽くなってしまいます。けど、本人からするとかなりのストレスの模様。
これについては、個人的には元彼がクズだと思うんですけどね。自分から聡子のことを振っておいて、必要以上に構ったり、思わせぶりな態度を取っているので。でも毎日顔を合わせるとなると、なかなか切り替えるのも難しいんでしょう。
真修も今の家庭環境のまま中学、高校と上がっていっていれば、どこかで取り返しがつかないほど拗らせてしまっていたと思うんですが、12歳はまだそこまで自分の家庭の異常さを理解していなかったようなのが救い。多分ネグレクト気味なのもそれほど意識していないと思います。
でもやっぱり寂しい気持ちはあるようで、聡子に対しては持前の素直さを発揮してくれます。これがまたくそかわなんですわ…破壊力あるんですわ…。
真修と聡子は恋愛にまで発展するのか。真修は家族との関係を改善できるのか。
真修と聡子が将来的に付き合うとなると、18歳差ということになりますが。子供を望まなければ、アリっちゃアリ…なんですかね?真修が20歳のときに聡子38歳。男性が年上ならともかく、女性が年上となると、二次元でもなかなかない年の差だとは思いますが。
というのも、1巻の最後でそういう内容を作者が仄めかしている箇所がありまして。企画段階でそういう話もあっただけとかの可能性もあるんですが、やっぱり非常に気になるところですよね。超が付くほどの年の差に挑むのか、よき友人の関係になるのか。なんらかの形での離別があるのか。どういう形に落ち着くんですかねえ。
真修の家族関係についてはまだほとんど明らかになっていないので、そのあたりはこれからの見どころですね。小学校のクラスメートも何度か登場はしているもの、こちらもまだまだこれから…という感じ。というか真修は小学生であの髪型で、いじめとか大丈夫だったんでしょうか。風呂に入れないときがある、何日か続けて同じ服、みたいな描写もありましたが…。いかん、なんだか私まで心配になってきましたよ。まさに魔性のショタ。
とにかく、美少年好きなら間違いなくおすすめの作品です。