終盤に絶望感が押し寄せる第三巻
どうも、いなかです。
この記事では、原作・白井カイウ、作画・出水ぽすかのジャンプコミックス「約束のネバーランド」3巻について、感想をまとめていきます。感想というか、明らかになった謎の整理と、残った謎についての簡単な考察のような内容になるかもしれませんが。
3巻ということで、ネタバレありです。
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テンポの良さがウリの本作は、この巻もまー色々やってまして。ドン・ギルタとの和解とか、シスター・クローネとのやりとりとか、緊張感の漂う展開が続くんですけど、終盤で何かを掴みかけたシスター・クローネが退場してから、一気に物語が動き出した感があるんですよね。
今までは脱走計画もまだ少し先のことって感じだったんですけど、もう本当にいつ強行してもおかしくないぞ、って雰囲気になってきます。
そうなってからが本当に面白い。マジで傑作ですよ。
あまりジャンプらしくない雰囲気なんですけど、ほんとにいい感じに盛り上がってきます。
レイがクローネに渡した『エサ』は何?
この巻における最大の謎は、シスター・クローネが見つけたメモの内容と、今わの際(という表現が適切かわかりませんが)に残したペンの意味。
原理は明らかになりませんでしたが、「インスタントカメラ」が手に入ったことにより、発信機が壊せるようになります。(あくまで、レイによれば、ですが)
ですが、発信機を壊せるツールの存在は、大人たちには絶対に秘密にしなければなりません。
シスター・クローネがそれを探すことを読んでいたレイは、代わりの「エサ」を目くらましとして用意しておくのですが…。
見る限りでは単なるメモなのですが、イザベラに関する重大な秘密なのは間違いないようです。
ただ、この内容がさっぱりわからないのです。
本誌でもまだ明らかになっていません。レイがこのメモ(の内容)をどこから手に入れたのかも。
クローネとグランマの会話で、かつてイザベラも脱走を試みたであろうことが示唆されます(同時に、それがグランマによって阻止されたことも)
かすかに見える首元の数字が、おそらくイザベラのものと同じです(73584)
最初は、メモにはそのことが書かれていたのかと思ったのですが、そもそもグランマにとっては秘密でもなんでもないですし、クローネは『イザベラ自身、本来は知らないこと』とも言っています。だから、まったく他の内容でしょう。
クローネが遺したペンの意味は
関連して、もう一つ大きな謎が、クローネが最期に遺したペン。
こちらも最初に読んだときには、見つけたメモをペンに入れて返しただけだと思っていたのですが、どうやらペンそのものに意味があるようです。
もともとは、外の人間の研究者が落としていったペン。
一見しただけでは内部に、アルファベットと数字の列が書かれているだけのものです。が、人間が今わの際に遺すほどのものですから、よほどのものなのでしょう。
普通に考えれば、文字列が何か重要なパスワードになっている…とかでしょうか。
もしくは、ペンそのものが何かの鍵になっている、とか。これについても、特にその後の言及はないんですよね…。大きな謎になったままです。
しかし、あれだけ屈強だったシスターがああもあっさり退場してしまうんですから、本当にこの世界は一歩間違えれば即死亡の世の中ですよね…。読者をかなり恐怖させたと思います。
たらればの話をしても仕方がないんですが、クローネがずっと従順な様子を見せていたら、イザベラの対応はまた違っていたんですかね?
それとも様子関係なく、時が来れば退場させられていたんでしょうか。だとすれば、可哀相ですよね…。このプラントに来た時点で約束された死ということになります。
クローネの退場、そしてノーマンの出荷が決定…
終盤に一気に物語の歯車が動き出します。クローネの退場から始まり、レイとイザベラの関係解消、そして計画の最後のタスクである下見の失敗、ノーマンの出荷決定…。
しかも下見を失敗させるために、エマがイザベラによって足を折られてしまいます。
これの絶望感がかなり半端なくて。いやだって、足が折れたら逃げられないじゃないですか。跳んだり跳ねたりはもちろん、走るのだってあの足では絶対に無理です。
下見が終わったら即逃げるって話してるのに。その時点で間違いなく、計画には修正…というか下手したら頓挫ですよね…。
そういうのが透けて見えてしまって、お先真っ暗感が凄かったです。
誕生日順から行ったらレイのはずだったのに、それを繰り上げてのノーマン出荷というのもキツイ。前回の記事でも書きましたが、脱出チームの柱はノーマンなんですよ。ノーマンが物理的にも精神的にも支柱なんです。その柱を折りに来られている。
予告を見ると、次の巻で一応の区切りまでは行くようですね。
要は、次の巻は約束された神巻ってことですよ。
ノーマンはこのまま出荷されてしまうのか。それとも、エマの怪我を押して計画を強行するのか。第三の道があるのか。
また次巻、レビューします。