告ったら負けの恋愛心理戦!かぐや様は告らせたい1巻レビュー!

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天才が、いかに相手に告白させるかを必死になって考え、実行する「シリアスなギャグ」ラブコメ

どうも、いなかです。

この記事では、作・赤坂アカのヤングジャンプコミックス「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」1巻の紹介+自分の感想をまとめます。

私は最新刊まで読破済、というか本誌でも追いかけているのですが、未読の方向けにレビューしたいので、ネタバレは1巻のさわりだけです。2巻以降はネタバレありの感想として、そのうち書いていきたいと思います。

あくまで個人的には、ですが、今のところ21世紀最強のラブコメだと思いますね。こういう頭がいい連中が真剣にバカなことやってる話が大好きなもので。

メインの二人は偏差値77の超エリート高の生徒会会長と副会長

作・赤坂アカ かぐや様は告らせたい1巻より

1話の冒頭のページです。超お嬢様の四宮かぐや、偏差値77の高校で常に成績トップを取り続ける秀才の白銀御行がストーリーの中核となります。男である御行の方が一見主人公ですが、作中ではかぐや視点のことの方が多く、ダブル主人公の体制と言った方がいいでしょうね。

この二人は、お互いがお互いのことを憎からず思っているのですが、「恋愛は好きになった方、つまり告白した方が負け」と強く信じている(という建前の)ため、自分からアプローチは決してしません。その代り、いかに相手にアプローチさせるかを常に考え、相手からそういう行動を引き出そうとしています

作・赤坂アカ かぐや様は告らせたい1巻より

「告ったら負け!」⇒「告らせたら勝ち!」というロジックですね。

ちなみに「お可愛いこと…」というのは御行の妄想のかぐやのキメ台詞です。御行の妄想のかぐやの、です。

タイトルの「恋愛頭脳戦」というのはその駆け引きのことを差しているのですが、ダブル主人公というシステムは、この恋愛心理戦に実によくあっています。

御行もかぐやも澄ました顔で知略を練り、仕掛け、ハッタリやブラフも使い、そして時にはあたふたしたりするのですが、澄ました顔であたふたしているのがとても可愛いんですよねえ…かぐやはもちろんですが、御行もとても可愛いんですよ。ツンデレやクーデレなどの使い古されたフレーズでは表現しきれない可愛さがあります。

作・赤坂アカ かぐや様は告らせたい1巻より

上の絵は、「負けた方が相手のお願いを聞くババヌキをする回」ですが、あたふたしてるかぐやの、この破壊力ですよ…。かぐやも御行も、自分に対しても素直ではないため、好意は心の中でもなかなか認めてくれません。

心理描写が多いため、メイン二人の思考を理解しやすく、感情移入というか、好感が持ちやすくなっているのもいいですね。男主人公目線の話ですと、部分的にヒロインの出番が少なくなったりすることもありますが、この作品ではそれもありません。

書記・藤原千花の存在が物語上のカギ

御行とかぐやの二人はホントーに受け身なため、「これは確実なチャンス」というところ以外では、恋愛的な行動を起こしません。そこをうまいことかき回したり、焚きつけたりしてくれるのが書記の藤原千花です。

作・赤坂アカ かぐや様は告らせたい1巻より

彼女は「ぽわぽわとした天然」「巨乳」「お嬢様」という、一歩間違えれば読者をイライラさせるだけのキャラ属性なのですが、この作品にとって彼女は非常に重要な立ち位置です。彼女が「どこか行こう」「なにかしよう」と提案することによって、やっとストーリーが進むと言っても過言ではありません。

「恋愛頭脳戦」においては、持前の天然さで二人の天才の策略を崩していくのがお約束。というか、御行はどちらかというと秀才タイプなので、本当の天才はかぐやと彼女の二人なのかもしれません(ぽわぽわしているとはいえ、偏差値77の平均レベルの成績)。

お嬢様のため家でゲームが禁止されているせいか、テーブルゲーム部に所属している彼女は、いざゲームの際には戦略を凝らしたりブラフをガンガン仕掛けてくるのもポイント高いです。

ただ、1巻には藤原書記が大活躍するエピソードがあまり収録されていないのが残念なところ。1巻は御行とかぐやのやりとりが中心の回がほとんどなんですよねえ…。彼女の真骨頂は2巻以降なので、1巻で藤原書記にイラッとしてしまった人も、できれば2巻までは読んでいただきたいものです。

元はミラクルジャンプ連載。人気が出たことによって掲載誌がヤングジャンプへ。

この作品は、もともとはミラクルジャンプに連載されていましたが、人気を受けヤングジャンプに移籍しています。1巻の収録エピソードがミラクルジャンプ連載分、2巻以降がヤングジャンプ連載分です。なので、ヤングジャンプ本誌で存在を知った人にとっては、1巻はまるごと未収録のエピソードになってくるのが大きなセールスポイントとなります。

2巻以降は「謎のバレーボール回」「謎のシリアス展開」など、恋愛頭脳戦以外のエピソードも多くなってきます。このあたり、作者がこなれてきたせいなのか、担当編集の違いのせいなのかはよくわかりませんが。私は野球が好きなので、そろそろ「謎の野球回」を入れてきてほしいところです。

どうでもいい(他の作品ならむしろ読み飛ばしてしまうような)エピソードをシリアスなギャグにまで昇華させるという基本方針は1巻からずっとぶれません。大ゴマの使い方を始めコマ割りが非常にうまいです。週刊連載でよくあのクオリティを維持できるな、と心から思います。

1巻の山場は8話「かぐや様は当てられたい」

上でも触れたように、1巻は良くも悪くも御行とかぐやのやりとりメインです。ある意味一番真剣に恋愛頭脳戦をやっています(笑)

ゲーム的なやりとりがほとんどで、実際にゲームをやることも多いのですが、山場は8話でしょう。かぐやのことを少しはわかってきたという御行に、かぐやが「20の質問」というゲームを仕掛ける回です。

出題者が思い浮かべた物を20回の質問で特定するゲーム

作・赤坂アカ かぐや様は告らせたい1巻より

このゲームを、かぐやは20回は多すぎるので10回で当てて見せろと言ってきます。(ちょうど少年マガジンでも同じようなことをやっていますね)

作・赤坂アカ かぐや様は告らせたい1巻より

状況が緊迫してくるのは7番目の質問で「かぐやが好きなもの」であることがわかったとき。御行は「自分ではないか」と考え、ドギマギします。

こういう「童貞エピソード」が大好きなので堪りません…。(例えばサンデーの看板漫画でマギってあるじゃないですか。私は「マギってどこが面白いの?」と聞かれたら脊髄反射的に「アリババの童貞エピソードだよ」と答えるくらいには童貞エピソード大好き人間です)

ドギマギしてる御行、くそ可愛いじゃないですか。ラブコメの見どころって結局こういうこっぱずかしい場面だと思うんですよねえ。というわけで、1巻最大の山場としては、御行の童貞エピソードとして8話を推しておきます。

エピソードの結末はぜひ単行本で。

欠点らしい欠点はないが

強いて欠点を挙げるとするなら、1巻の時点で書記の活躍が若干少ないこと、そしてもう一つは、1巻は表紙が異常に怖いことです。

何かの間違いじゃないかと思うレベルです。何も知らない状態だと、東京喰種のスピンオフ作品と言われても信じてしまうと思います。2巻以降は普通に可愛いのですが…どうしてこうなった。正直、売上機会をかなり逃していると思われます。

中身はとてもおすすめです。アニメ化は時間の問題だと思います。

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