「ハーレム」なのに「デスゲーム」…?一見相容れそうもない属性同士をハイブリットさせた作品が始動
どうも、いなかです。
この記事では、原作・竜騎士07、漫画・緋賀ゆかりのシリウスコミックス「恋愛ハーレムゲーム終了のお知らせがくる頃に」について、レビューをまとめます。
未読の方のためにネタバレは極力無し(最低限のあらすじ程度)としています。尚、この記事を書いている時点では、1巻が発売されたばかりの作品です。
「ひぐらし」「うみねこ」の作者・竜騎士07の新作
原作者の竜騎士07ですが、いわずと知れた「ひぐらしのなく頃に」「うみねこのなく頃に」の作者です。wikiなどで調べてみると、「うみねこ」終了後も創作活動はずっと続けていたようですが、多くの人は「うみねこ」で止まっているのでは(わたくしは止まっておりました…)
さて、今回の新作は、「ひぐらし」「うみねこ」のミステリーやサスペンスっぽい雰囲気とは一線を画しておりますね。なんとファンタジー系デスゲームものです。
あらすじを簡単にまとめると、以下のような感じになります。
- 主人公(というより、『主人公役』と言った方が適切かも)の小日向アスナロは、自分の高校の美少女たちが、自分を取り合うハーレムを妄想するのが趣味の高校生。
- ある日、偶然拾ったビンを開けると、中からは悪魔が。
- ゼパプルと名乗る悪魔は、アスナロに感謝の意を示すために、アスナロの妄想ハーレムを現実にしてあげると言い出します。ハーレムの中で一番気に入った娘を一人と、結ばれることができる、とも。
- しかしそのハーレムは、ヒロインたちにとってはデスゲームだったのです。命を賭けて、アスナロの彼女の席を奪い合うゲームが幕を開けます…。
アスナロは、ハーレムゲームのことは知っていますが、それが生きる/死ぬが発生するようなゲームだとは知りません。単に、悪魔が超魔力で美少女ゲームを現実に起こした…程度の認識です。
アスナロは、基本的に善良な普通の、ある意味では美少女ゲームの主人公の王道的な佇まいの高校二年生ですからね。別にデスゲームなんて望んでいないのです。
だから、ある意味アスナロも被害者なんですよね。まあ、悪魔の封印を解いてしまった、という意味では根本の元凶でもあるんですが。でもビンのフタ開けたら悪魔が出てくるとは、誰も想像できませんよねえ…。
ヒロインたちはデスゲームからの脱出を目指す
いきなり巻き込まれた場合のデスゲーム系のお約束としては、「最初はデスゲームに乗るつもりはなかったものの、身を守るためにやむをえず自衛はする」という感じでしょうか。
自衛のつもりが、結果的に命を奪ってしまうこともままありますね。
本作は、ゲームが開始してからは、視点がヒロインの一人・古和田セリカに移ります。(アスナロの出番はかなり少なくなるという…ヒロインからも結構恨まれるし、本当に可哀相な立ち位置です)
セリカは自分の生き残りの為に他のヒロインたちを犠牲にすることをよしとせず、ゲームを出し抜き、最終的にはゲームからの脱出を目指します。そのために、他のヒロインたちと協力すべく、動き回るのですが…。
ヒロインたちは「囚人のジレンマ」を打ち破って協力が出来るのか、悪魔を出し抜くことは可能なのか。
そもそも、悪魔ゼパフルの目的は何なのか?(単に復活させてもらった恩だけではないと、序盤から明言しています)やっぱりエントロピーの減少なんですかね?
本作は今のところ、悲惨な描写はそれほど多くないですし、ヒロインの一人が見せしめの為にあっけなく死ぬこともありません(この手の話では、見せしめは往々にしてある展開です)ので、かなり読みやすいと思います。もちろん、今後もないという保証はできませんが…。
ハーレム要素とのハイブリッドなど、「一つ捻っている」感がものすごく強くて、お話がどういう風に着地するのかがとても気になる本作。
デスゲーム系のファンの方にはもちろんおすすめですが、かつての「ひぐらし」「うみねこ」のファンだった方も読んでみたらいかがでしょうか。