防衛大学のリアル?あおざくらをレビュー

作者・二階堂ヒカル あおざくら 防衛大学校物語1巻より
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防衛大学生の汗と涙の青春を描く、異色のジャンルが誕生

どうも、いなかです。

この記事では、作者・二階堂ヒカルのサンデーコミックス「あおざくら 防衛大学校物語」について、未読の方向けのレビューをまとめます。ネタバレは無し(最低限のあらすじ程度)としています。

執筆時点では、2巻まで発売されている作品です。

画面からはサバイバル感があふれるが、防衛大学生のごく普通の日常…らしい

「あおざくら」は防衛大学校物語のタイトルが示す通り、防衛大学の学生の日常を描くお話です。要は日常系ですね…ただ、その日常がとてつもなく大変なサバイバル生活なんですけど。非日常的な日常生活とでも言えばいいんでしょうか。

主人公の近藤勇美は、学年一位の学力がありながら、実家の自営業の業績が思わしくないせいで、大学への進学が困難な状態でした。奨学金という手もありましたが、返す当てもないため安易にその手も使えません。このあたりは考え方次第だと思いますが、少なくともその時の近藤はそう思っていました。

そんなとき、防衛大学の存在を知ります。学費等はすべて無料、勉強をしながら給料や賞与ももらえる防衛大学は、近藤にとっては夢のような環境。防衛大学への進学を決意した近藤は、持前の学力を生かして無事に合格…というのがプロローグです。

近藤は防衛大学の内情についてはほぼ何も調べずに入学したらしく、パンフレットに書いてある以上のことはなにも分からないような状態です。防大には「対番」と呼ばれる、指導係の上級生が一人付くのですが、彼に色々教えてもらうことになります…が、対番の松平も、防大の先輩なわけで、「今言うべきではない」と判断したことは教えてくれないんですね。色々な作法は教えてくれるものの、「これから何が起こるのか」「なぜ起こるのか」はなかなか教えてはもらえません。

なので、近藤を始めとする一年生は、怒涛のようにやってくる「防衛大の日常」に翻弄されっぱなしになります。

とりあえず今のところは、その非日常的な日常に、近藤を始めとする同部屋のメンバーがなんとか立ち向かっていく様子を心の中で応援するための漫画です。

新しい世界を垣間見ることができるのが見どころ

この手の作品は、どこまでがフィクションで、どこまでが現実なのかは気になるところ。

読者の疑問に先回りして、1巻の巻末に防大OBの座談会が収録されています。それを信じるのであれば、「多少の漫画的誇張はあるものの、ほとんどが現実」だそうです。

作者・二階堂ヒカル あおざくら 防衛大学校物語1巻より

走って戻ってこい、廊下は走るもんだ!

このフレーズからはかなりの衝撃を受けましたが、マジらしいですね。

こういう部分をきちんとストーリーに組み込んできていて、しかも読んでて飽きさせないというのがこの話のすごいところです。一巻のこのあたりとか、ほんとに怒られてるだけなんですけど、目が離せない。怖いもの見たさもあると思うんですけど。

この漫画を読んでて思ったのは、一時期言われてた「集団的自衛権の行使を認めたらそのうち徴兵制も復活する」みたいな話はほんとにばかげてるなということですね。これだけの厳しさと意識の高さで4年間訓練したとしても、卒業して現場に出ればただの新人、そこから更に訓練と慣れを積み重ねてやっと一人前、というところだと思います。一般人を呼んで、多少訓練したところで戦力になるわけがないのは明らかではないですか。

ただ先輩に怒られるだけの漫画ではない

というか、2巻が発売してからやっとレビューする気になったのも、少し様子見してたからというのが大きいんですよ。さすがにずっと怒られてるだけの漫画だったら辛いなと。

安心してください、別にそんなことはなかったです。

2巻まで読んで、ああこれは普通に面白いなと。打ち切りになったら寂しいと思い、レビューすることにしました。まあ2巻も結構怒られるんですけどね、近藤たちもだんだん状況に対応してきますので。

怒られるのも、防衛大学生という立場上、重要な意味合いがあるということもわかってきますし、そうするとある程度納得して読むことができるようになります。

部屋のメンバーの顔と名前が一致するころには、普通に楽しんで読めるのではないかと思います。本当に、新しい世界をうまくエンターテイメントに落とし込んだ良作だと思います。

「たまには新しいジャンルの漫画が読みたい」という方にはぜひおすすめです。

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