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2016年11月末に発売された13巻で、事実上の第一部完となった
どうも、いなかです。
この記事では、つい先日発売された13巻で「一区切り」を迎えた、ヤングキングコミックスの「蒼き鋼のアルペジオ」について紹介していきます。
アルペジオは、基本的な構図としては、潜水艦「イ401号」を率いる千早群像が、全世界の制海権を握る謎の無人兵器「霧の艦隊」なる軍隊と戦うというものです。
まず、なぜ「一区切り」なのかというところからなのですが、このたびこのアルペジオ、13巻でやっと一部完となりました。なので「一区切り」と。
お話の風呂敷はかなり広がったんですが、まだまったく畳まれていません…。amazonなどのレビューでも「この調子で終わるの?」という声が散見されます。気持ちはわかります…。14巻は…14巻はいつになるんや…。
ただ、連載はシームレスに継続しているようなので、まあまだいい方なのかな、と思うようにしております。連載自体がストップしてたり、最悪そのまま連載停止、なんて漫画もありますからね。
当初この記事は、漫画の二部やアニメ二期に備えて、世界観や用語などを画像を交えて解説するつもりだったのですが、あまりにも大ボリュームになるのが予想された上に、内容の大部分がウィキペディアのパクリにしかならないことに気が付いたので、やめておきます。
それよりはシンプルに、自分なりの見どころに、自分なりを思い入れを織り交ぜて紹介していったほうがいいかな、と。
なので、あらすじの説明は最低限にして、画像もなるべく1巻から取るようにしております。少しでも興味をもってもらえると嬉しいです。
簡単なあらすじ
のちに「霧の艦隊」と呼ばれるようになる謎の大艦隊の出現が全ての始まりだった
Ark Performance著 蒼き鋼のアルペジオ1巻より
2039年(登場人物の年齢から推測した数字です)、温暖化による海面の上昇によって、生活可能な陸地が減少した人類の前に、突如として正体不明の艦隊群が現れます。「霧の艦隊」と呼称されたそれらは、圧倒的な戦力を持って、人類からすべての制海権をはく奪してしまいます。それが作中では「17年前の出来事」となっています。
この事件によって、世界的に輸入・輸出の手段がほぼ無くなってしまいます。船舶輸送は掴ませんし、制海権を握られていると、飛行機が海の上を飛ぶこともできなくなるので、空輸もできなくなります。結果、経済はほぼ破綻し、特に日本は苦しい立場に置かれてしまいます。
主人公・千早群像の目的は、「人類最後の希望」の輸送
Ark Performance著 蒼き鋼のアルペジオ1巻より
「人類最後の希望」というにはちょっと…いや大分盛ってるんですが、とにかく群像の目的はこれです。
政府の偉い人から頼まれた、「ある荷物」をアメリカに運ぶ。
その目的のために、「元」霧の潜水艦イ401号を駆り、強力無比な霧の艦隊がウヨウヨしている太平洋を横断する、というのがお話の大筋となります。
女の子×本格海洋戦闘×超兵器のシナジーが最大の見どころ
メンタルモデルの可愛さ
Ark Performance著 蒼き鋼のアルペジオ1巻より
Ark Performance著 蒼き鋼のアルペジオ7巻より
霧の艦隊の重巡以上の戦艦は、メンタルモデルと呼ばれる人間型のインターフェースを持っています。メンタルモデルは戦艦の心そのもので、これを発現させることにより、霧の艦隊も感情を手に入れることに成功しています。まあ艦これと同じですねw
んで、このメンタルモデルちゃんたちがことごとく可愛いわけです。(画像はその中でも最も人気のあるタカオちゃんです)そんな子がいっぱい出てきます(理論上は艦これと同じくらいは出せるはずです)
あと、人間の女の子も普通に可愛いです。メンタルモデルに比べて人数がすごく少ないんですけど。
海洋戦闘の作画にも隙がない
Ark Performance著 蒼き鋼のアルペジオ1巻より
だいたい上の画像のような雰囲気で戦闘が描かれているのですが、一分の隙も見当たりません。最初のコマの対潜ミサイル発射シーン、その後の迎撃指示のコマの台詞回し、ページ左側のミサイル描写、センサー描写、いずれも非常に高密度。月刊誌とはいえ、ここまでやってくれるのかという感じです。それでいて、手前の静(ソナー手の女の子)はちゃんと可愛いという。
用語の意味は正直よくわからないものも多いのですが、意味がわからなくても絵のクオリティが高いせいか、雰囲気だけでも十分楽しめてしまいます。逆に、興味が湧いたら一つずつ調べていくのもいいですね。更に楽しめるきっかけになるかと思います。
リアリティすら感じさせる超兵器の描写は必見
Ark Performance著 蒼き鋼のアルペジオ1巻より
アルペジオの船は、通常航行のときは普通の船なのですが、中身はまるで別物です。
特に、艦の切り札でもある超重力砲(ある程度以上の規模の艦はすべて持っています)の発射シークエンスは凄まじいものがあります。艦の「口」がガバッと開き、艦体内部から砲が露出するシーンは必見モノで、アニメならともかく、今時ここまでやってくれる漫画は他にないのではないでしょうか。
艦そのものが巨大な大砲と化すのは、宇宙戦艦ヤマト以来の日本のお家芸的な表現ですが、正直大好きです。堪りません。アルペジオのマーケティング戦略は「女の子で釣って、超兵器でトドメ」という感じなのですが、これだけの質であれば、トドメをさしてもらうのも本望というもの。
私などは漫画の見開きを読むとき、どちらかと言えば「無駄な見開きでページ数無駄にしてるな」と感じる見開きの方が多いのですが、このあたりの描写については手のひらをくるっと返し「よくぞ見開きで描いてくれましたね」となります。
アニメからの人には、漫画版のみのキャラクターも見どころ
アニメ版が1クールの放送だったため、話の大筋は同じながらも、さまざまな改変が行われています。私はアニメと漫画で展開が変わるのにそれほど抵抗がないので、むしろいい改変だったと思っています。むしろ楽しみ方が増えたな、と。
アニメ版では、メイン級でも登場しなかったキャラクターがかなりいるので、アニメから漫画に入る場合にはそこも見どころになります。響 真瑠璃や白鯨が丸ごと登場しませんし、なにより、U-2501のクルーであるゾルダン・スターク、フランセット、ロムアルドが登場しません。
群像と同じように、霧の潜水艦を駆る彼らは、ある意味で影の主人公と言っていいほどだと思うのですが。
Ark Performance著 蒼き鋼のアルペジオ1巻より
特にいいなと思うのがこのシーン。
群像たちイ401のクルーももちろん絆があるんですけど、もともと学校の同級生だった彼らの絆は友情の延長なんですよね。戦場で出会ったU-2501のクルーの絆はゾルダンを父親とする家族愛に近いもので、まったく違う意味合いなのが伝わってきて。
特に、目に障害があるフランセットの言葉にはぐっと来るものがあります。
ゾルダンも最初は、「漫画にありがちなスカしたかませ犬キザ野郎」くらいにしか思ってなかったのですが、今ではものすごく大好きになりました。U-2501の戦闘はいずれも見ごたえがあるものばかり。アニメからの人には特におすすめですよ!
終わりに
個人的な見どころを厳選して挙げてみましたが、いかがだったでしょうか。
アルペジオ読み始めるには、今がほんとにいいタイミングだと思うので、ぜひ読んでみてくださいね。